東京大学

概要
調査番号 1158
調査名 社会的ミリューと政治の交錯に関する研究,2005
寄託者 樋口直人
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SSJDAが利用申請を承認したときに利用できる
教育目的(授業など)の利用 教育(授業・卒論等)も可

利用期限

一年間
データ提供方法 ダウンロード
オンライン集計システムSSJDA Data Analysis オンライン集計システム「SSJDA Data Analysis」を用いた分析が可能。
調査の概要 1990年代後半以降,国政においても地方政治においても,55年体制下では想定しえなかった諸現象が噴出している。国政ではポピュリズム的な人気を背景にした小泉政権が誕生し,郵政民営化を争点とする2005年の衆議院選挙は「劇場型選挙」となり,地方では住民運動をはじめとする直接民主主義的な動きが活発化し,政党相乗りの候補が「無党派知事」に敗れる現象も相次いでいる。これら近年の政治変動の諸現象は,階層や保革イデオロギーなどの従来の枠組では,有権者の政治行動との関連において説明することは困難であり,新たに代替的なモデルが必要となっている。

以上のような状況を踏まえて,本調査は,ポスト55年体制期の日本政治のダイナミズムを説明する枠組み・モデル・分析手法を提案するために,2005年9月の衆議院選挙直後に東京都内で実施したものである。本調査は,東京における社会的ミリューを析出するという観点から,特徴的なミリューを強調した形で析出することを目指して実施されている。上述の問題関心を踏まえて,本調査は,ドイツを中心に発展してきた「社会的ミリュー」概念とその分析手法を導入し,日本版社会的ミリューと政治という新たな領域を開拓するべく実施した。ミリューとは「考え方や行動様式が似た人々の集団を示すもの」であり,生産・労働に基礎づけられた社会構造上の属性という客観的条件だけでなく,多様な社会意識や世界観,あるいは消費に応じたライフスタイルなどの主観的条件を含み込んだものとして,人びとの行動を説明できることに大きな特長がある。社会的ミリュー概念を用いることで,現代日本政治の政治社会学的理解にとって有効な方法を提供できると考え,本調査を実施した。
データタイプ(量的調査/質的調査/官庁統計) 量的調査
量的調査: ミクロデータ
調査対象 東京都在住の20~79歳(2005年8月1日現在)
調査対象の単位 個人
サンプルサイズ 配布数 8,500
回収数 2,887
回収率 33.96%
調査時点 2005-09 ~ 2005-10
2005年9月~10月
対象時期 2005 ~ 2005
調査地域 東京都
東京都の6区2市(港区,文京区,江戸川区,江東区,墨田区,杉並区,小金井市,立川市)
標本抽出 確率: 系統抽出
国勢調査データに基づき,学歴と年齢の点でできる限り多様なサンプルを抽出するために,東京都の6区2市(港区,文京区,江戸川区,江東区,墨田区,杉並区,小金井市,立川市)を調査地域に選定した。
調査標本は,選挙人名簿からランダムに投票区を選定し,そこから等間隔で20~79歳(2005年8月1日現在)の者を系統抽出した。
調査方法 自記式調査票:紙
郵送配布・郵送回収法
調査実施者 樋口直人
DOI 10.34500/SSJDA.1158
委託者(経費) 文部科学省科学研究費(萌芽研究)
寄託時の関連報告書・関連論文 松谷満・高木竜輔・丸山真央・久保田滋・樋口直人・矢部拓也・村瀬博志・町村敬志,2006,「『劇場型選挙』のプロレゴメナ──2005年総選挙における東京都民の投票行動と社会意識」『茨城大学地域総合研究所年報』(39),2006年3月

松谷満・伊藤美登里・久保田滋・樋口直人・矢部拓也・高木竜輔・丸山真央,2007,「東京の社会的ミリューと政治――2005年東京調査の予備的分析」『徳島大学社会科学研究』20,2007年2月

久保田滋,2008,『脱政党時代の地方政治における民主主義の再編──知事のリーダーシップと投票行動をめぐって』2004~2007年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書,2008年3月

樋口直人・伊藤美登里・田辺俊介・松谷満,2008,「アクティビズムの遺産はなぜ相続されないのか──日本における新しい社会運動の担い手をめぐって」『アジア太平洋レビュー』(5),2008年

樋口直人・伊藤美登里・田辺俊介・松谷満,2010,Explaining Japan's Lack of Green Parties : A Social-Milieu Approach,『徳島大学社会科学研究』23,2010年2月
SSJDAデータ貸出による二次成果物 二次成果物一覧はこちら
調査票・コードブック・集計表など 調査票
主要調査事項 (1)支持政党,選挙での投票行動
・支持政党
・2005年都議会議員選挙で投票に行ったか否か,2005年衆議院選挙の選挙区での投票先・投票に行ったか否か,2005年衆議院選挙の比例区での投票先・投票に行ったか否か

(2)政治参加の経験
署名,集会出席,献金・カンパ,陳情・請願,デモの経験の有無

(3)政策への賛否
自衛隊のイラク派遣,憲法の改正,郵政民営化,総理大臣の靖国神社参拝,年金目的の消費税引き上げ,に対する賛否

(4)政党,政治家,有名人,社会的活動への好感度
自民党,民主党,共産党,小泉純一郎,石原慎太郎,田中康夫,田中真紀子,堀江貴文,北野武,市民運動,自衛隊,官僚,への好感度

(5)社会への意見・考え方
・意見:プライバシーについて,性別役割分業について,夫婦別姓について,など
・社会が重視すべきだと思う目標:国内の秩序を維持すること,重要な政策の決定にもっと国民の声を反映させること,景気と経済成長を支える強い対策,国民の言論の自由と人権を守ること
・自分にとって重要なこと:高い収入を得ること,高い地位につくこと,個性的な生き方をすること,など

(6)参加している団体や余暇活動
自治会・町内会,労働組合,同業者組合,政党・後援会,消費者団体,PTA,サークル,宗教団体,自然保護団体,ボランティア団体,への参加

(7)海外経験
海外渡航回数,海外居住経験

(8)ライフスタイル
余暇活動の頻度,購読している新聞,視聴するテレビ番組の種類,外食行動


【フェイス項目】
(1)本人
・性別,年齢,学歴,雇用形態,職種,会社規模,世帯収入,居住地域,15歳時居住地
・婚姻,世帯構成,子どもの人数,居住形態

(2)親
・父親学歴,父親の15歳時居住地,母親の15歳時居住地

(3)配偶者
・学歴,雇用形態,職種,仕事先会社規模
公開年月日 2018/01/09
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政府、政治制度、組織
政治的イデオロギー
社会行動と社会的態度
SSJDAオリジナルトピック 政治・行政・選挙
社会・文化
バージョン 1 : 2018-01-09
特記事項