東京大学

概要
調査番号 0296
調査名 介護サービス実態調査,2001
寄託者 連合総合生活開発研究所
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SSJDAが利用申請を承認したときに利用できる
教育目的(授業など)の利用 研究のみ

利用期限

一年間
データ提供方法 ダウンロード
オンライン集計システムSSJDA Data Analysis 利用不可
調査の概要  2000年4月にスタートした介護保険制度は,「介護は家族だけに任せるのではなく社会の連帯の中で」,「サービスは措置から契約へ」という仕組みの変化によって,介護を必要としている人々の自立した暮らしを図ろうとして導入され,社会福祉サービスをめぐる環境を大きく変えた。
 しかし,制度の準備が不十分なまま発足したことにもより,導入当初からさまざまな問題点が懸念され,また実施後具体化している。今後の制度改革につなげていく意味からも,介護保険制度導入後,約1年を迎えた段階における制度の検証と問題点を明らかにする目的から,本調査が企画された。

 本調査は,1)「ホームヘルプサービス職に関するアンケート調査」,2)「ケアマネジャー職に関するアンケート調査」,3)「『要介護高齢者の介護者』についての実態調査」の三つの調査で構成されている。

 1)では,ホームヘルプサービス職の確立と,それに向けた介護保険制度の改革をめざすため,介護保険実施前後の仕事や労働条件の変化と実態,制度的な課題を明らかにすることを目的とした。そこでは,連合総研の1996年調査(『地域における高齢者福祉サービス調査』『高齢者福祉とホームヘルプ職調査』)との継続と比較をも考慮している。
 2)では,介護保険制度の要であり,制度発足に伴って設けられた新たな専門職である介護支援専門員(ケアマネジャー)の実態を把握し,そこに内在する課題を明らかにすることを目的としている。
 3)では,在宅介護の現場からみえてくる介護保険の実態と課題,そこにおける介護者の実態について,介護保険制度導入前と後を見ながら現状と問題点を明らかにすることを目的とした。ここでは,連合の1994年調査(『要介護者を抱える家族についての実態調査』)との継続性を考慮している。
 加えて,この三つの調査では,特に介護保険制度を支える役割と立場の違うそれぞれの主体から見られる問題点の解明にも考慮している。
データタイプ(量的調査/質的調査/官庁統計) 量的調査: ミクロデータ
調査対象 1)[ホームヘルプサービス職調査]:ホームヘルパー
2)[ケアマネジャー職調査]:ケアマネジャー
3)[要介護高齢者の介護者調査]:要介護高齢者の介護者
調査対象の単位 個人
サンプルサイズ                  配布数  回収数  回収率
1)[ホームヘルプサービス職調査]:約4000枚  840枚  約21%
2)[ケアマネジャー職調査]:   約1000枚  177枚  約17%
3)[要介護高齢者の介護者調査]: 約3000枚  773枚  約25%
調査時点 1)[ホームヘルプサービス職調査]:2001年3~4月
2)[ケアマネジャー職調査]:   2001年3~4月
3)[要介護高齢者の介護者調査]: 2001年2~3月
対象時期
調査地域 全国
標本抽出
調査方法 1)[ホームヘルプサービス職調査]:連合総研が先に調査した「高齢者福祉とホームヘルプ職調査」(1996年調査)にご協力いただいた高齢者福祉サービス団体,および中央労働者福祉協議会・自治労・ゼンセン同盟を通じて,当該のホームヘルパーに対し約4000枚のアンケート調査票を配布し,郵送による直接返却の方法を取った。

2)[ケアマネジャー職調査]:上述の96年調査の高齢者福祉団体,および中央労福協・自治労を通じて,当該のケアマネジャーに対し約1000枚を配布し,郵送による直接返却の方法を取った。

3)[要介護高齢者の介護者調査]:全国47の都道府県地方連合会を通じて,各50枚から100枚,全国総数で約3000枚を配布し,主として組合員および関係団体の中でご協力いただいた方に対しアンケート調査票に記入していただき,それを直接事務局に返送してもらう方法を取った。
調査実施者 連合総合生活開発研究所
DOI
委託者(経費)
寄託時の関連報告書・関連論文 「検証:介護保険制度1年 ―連合総研『介護サービス実態調査』から見えてきたもの―」,2001年11月,(財)連合総合生活開発研究所
SSJDAデータ貸出による二次成果物 二次成果物一覧はこちら
調査票・コードブック・集計表など [ホームヘルプサービス職調査票][ケアマネジャー職調査票][要介護高齢者の介護者調査票]
主要調査事項 【ホームヘルプサービス職調査】

(1)ホームヘルパーのキャリア
 仕事をはじめた時期,ヘルパー就労時からの訪問利用者人数,現在の勤務地,雇用形態,ヘルパー以外の仕事,登録事業所数,ヘルパー就労直前の仕事の有無と内容,取得している資格・取得時期,取得したい資格,介護保険法施行前後における勤務先移動の有無。

(2)ホームヘルパーの仕事意識
 ヘルパー就労動機,事業所選択理由,ホームヘルプサービス職の社会的評価,仕事への誇り,ホームヘルパー職の就労継続意思。

(3)ホームヘルパーの仕事実態
 事業所におけるコーディネーター役割の有無,訪問介護計画にしたがった訪問介護の有無,コーディネーターからの説明の有無,「日常的な打ち合わせ」と「カンファレンス」への参加状況,「重要事項説明書」の認知,ケアプランの把握,過去1ヵ月に行った訪問サービスの種類,日頃行っているサービス内容と対比しての現行介護報酬への考え,利用者との関係でうまくいかないことの有無・原因,利用者によるセクハラ行為,困った時の相談体制・相談先,研修時間や機会の有無,研修の役立度,身につけたい知識やスキル(技能)。

(4)介護保険施行によるホームヘルパーへの影響
 介護保険施行によるホームヘルプの仕事全体の変化,仕事量の変化,仕事の質の変化,介護保険施行による利用者との関係の変化,利用者からのサービス内容の苦情や説明要請の変化,サービス提供事業所の多様化への評価,働いている地域におけるヘルパー数の充足感。

(5)就労の実態と労働条件
 勤務状況(過去1ヵ月の勤務日数と訪問日数・訪問世帯数,1日の平均訪問時間数,訪問(滞在)時間と比べた移動時間,1世帯あたりの平均訪問時間数,土日・祝祭日の訪問の有無,勤務時間帯),仕事量,賃金(賃金形態,平均月収,時間給,介護保険施行による収入の変化・時間あたりの賃金単価が上がった理由・下がった理由,ホームヘルプサービス業務関連の時間の取り扱い,ボーナス支給の有無・支給額,税や社会保険料を考慮した調整の有無,社会保険への加入状況,労働組合加入状況。

(6)属性
 性別,年齢,学歴。
 勤務先(所属事業所)属性(所属母体,事業展開,訪問介護以外の事業,ホームヘルパー数)。


【ケアマネジャー職調査】

(1)ケアマネジャーの一般的属性
 ケアマネジャーになるにあたって取得していた資格,取得資格による職種の実務経験,ケアマネジャー以前の福祉関連の相談や援助等の実務経験,介護保険法施行前後における勤務先移動の有無,現在の事業所へ就職した理由。

(2)ケアマネジャーが勤務する事業所の属性
 現在の勤務地,勤務先(所属事業所)の所属母体,事業展開,所属事業所が行っている居宅介護支援事業以外の介護サービス事業,居宅介護支援サービス事業の職員数。

(3)ケアプラン業務
 仕事全体に占めるケアマネジャーの仕事のウエイト,ケアプランの担当人数,ケアプランの原案作成姿勢,ケアプラン作成上で心がけていること,ケアプラン作成上の問題点,ケアプラン作成,進行管理等におけるケアマネジャーのサポート体制,ケアプラン作成におけるOA化の状況,担当する利用者の適切なモニタリングの有無,ケアマネジャーの仕事の範囲についての認識,責任もって作成できるケアプラン担当人数。

(4)ケアマネジメントの外部支援環境
 ケアマネジャーの業務上の相談先,ケアマネジャーの情報交換などの相互ネットワーク。

(5)ケアマネジャー職に対する評価
 介護報酬,仕事量,専門職としての評価,ケアマネジャー職の就労継続意思。

(6)介護保険制度や高齢者福祉サービス全般に対する評価
 サービス提供事業所の多様化による変化,サービス提供事業者からの「実績報告書」の返却状況,勤務地の市区町村における老人福祉や介護保険の取り組み状況,勤務地の市区町村における介護サービス等に関する充実度,2000年10月以降65歳以上からの介護保険料徴収による利用者の介護サービスニーズ変化,ケアマネジャーの立場からみた介護保険制度評価,老人福祉や介護保険に関する問題点。

(7)ケアマネジャー職の雇用環境
 就業形態,勤務状況,給与等の条件,福利厚生条件,労働組合の必要性。

(8)属性
 性別,年齢,学歴。


【要介護高齢者の介護者調査】

(1)要介護者と介護者の状況
 介護者の属性; 性別,年齢,家族構成,住居の種類,居住都道府県,自治体の人口規模,就労状況,職業,世帯収入。
 要介護者の状況; 年齢,介護場所,日常生活の状態,介護認定のランク,痴呆による意思疎通の可否,介護者との関係。
 在宅介護者の状況; 勤務先の介護休業制度・介護のための短時間勤務制度の状況,勤務先従業員規模,主たる介護者になった理由,介護年数,要介護者との住まい方の関係,介護者の健康,介護協力者がいるか。

(2)家族介護者と要介護認定
 要介護認定状況; 認定申請の有無,認定申請をしない理由。
 訪問調査; 訪問調査員の介護をしている人への理解,要介護認定結果への評価,認定が軽いことにより困った点。

(3)家族介護者とケアプラン
 ケアプラン; 作成の有無,作成方法,作成の重点,満足度,問題点。
 ケアマネジャー; ケアマネジャーを選ぶ基準,ケアマネジャーの対応,ケアマネジャーの仕事内容の認知度。
 介護費用; 「在宅」における介護費用,「施設・病院」における介護費用,介護保険導入前後での介護費用の変化,介護費用負担者,負担限度額。

(4)介護サービスと家族介護者
 現在利用しているサービス; 介護保険施行前後の利用の変化,介護サービス事業者を選んだきっかけ,サービス提供事業者との契約書,サービスや施設の満足度,今後もっと利用したいサービスや施設。
 ホームヘルプサービス(訪問介護); 現在受けているサービス,今後受けたいサービス,ホームヘルパーに対する不満の理由。
 施設への入所; 施設入所への考え,施設入所時の契約内容の説明の有無,入所申請からの期間,施設入所希望の理由。

(5)介護にともなう課題・行政への要望・介護保険に対する評価
 要介護者に対する「憎しみ」の感情と「虐待」,サービス提供事業者の多元化,介護保険導入前後の介護負担の変化,要介護者を抱えて困っていること,介護者支援のために希望する制度・サービス・施設,市町村の介護保険の運営に対する見方,市町村への苦情・事業者への苦情,介護保険のわかりにくい箇所,介護保険制度全体への満足度。
公開年月日 2003/11/10
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バージョン 登録:2003年11月10日 :
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