東京大学

概要
調査番号 0304
調査名 企業の福利厚生制度に関する調査,2002
寄託者 生命保険文化センター
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SSJDAが利用申請を承認したときに利用できる
教育目的(授業など)の利用 教育(授業・卒論等)も可

利用期限

一年間
データ提供方法 ダウンロード
オンライン集計システムSSJDA Data Analysis 利用不可
調査の概要  近年,わが国の企業社会はグローバリゼーション,規制緩和等による経済構造の大きな変化のなかにあり,また,長引く景気後退によって厳しい経営を余儀なくされている。こうした環境変化に直面する中で“日本的経営”と呼ばれた伝統的な雇用慣行や処遇制度が大きく揺らいでいる。
 今回の調査の目的は,このような変革期にある福利厚生制度や退職給付制度における実態を包括的にとらえると同時に,今後,企業と従業員がどのような方向に向かおうとしているかを探ることにある。

 当調査は1980年より実施しており,今回で8回目となる。今回の調査においては,このような急速な環境変化のもとでの企業の動向を反映するために,調査項目の大幅な追加・見直しを行っている。今回の調査の主要な変更点・特色は次のとおり。

 1)企業側(福利厚生担当者)での認識と,従業員側での意識を対比できるように,企業に対する調査とその企業に勤務する従業員に対する調査を併行して実施したこと。

 2)従来の企業調査の設計を一部見直し,従業員規模5~29人の小規模企業層を加えたことによって日本企業全体に対する代表性を高めたこと。

 3)従業員調査では,近年,拡大が進む非正規従業員層(パート等)も調査対象に加えたこと。
データタイプ(量的調査/質的調査/官庁統計) 量的調査: ミクロデータ
調査対象 [企業調査] 正規従業員5人以上の民間企業(ただし,農林水産業,保険媒介代理業,保険サービス業,通信業,熱供給業,水道業,その他,分類不能は除く)
[従業員調査] 企業調査の標本企業に勤務する従業員(正規従業員および非正規従業員)
調査対象の単位 個人,組織
サンプルサイズ 調査設計時の想定標本数
 [企業調査] (従業員数30人以上の企業)約1400社
       (従業員数5~29人の企業) 約600社
 [従業員調査] (従業員数5人以上の企業の従業員)約2000人
          うち,正規従業員  1600人
             非正規従業員  400人
有効回収数
 [企業調査]  2,014票
 [従業員調査] 正規従業員調査 1,802票
        非正規従業員調査 300票
調査時点 2002年8月7日~11月14日
対象時期
調査地域 東京都区部および政令指定都市(札幌市,仙台市,千葉市,川崎市,横浜市,名古屋市,京都市,大阪市,神戸市,広島市,北九州市,福岡市)
標本抽出 抽出台帳:総務省による事業所統計調査(平成11年実施)に基づく民営事業所漢字リスト。
抽出方法:業種別・従業員規模別による層化抽出法で,業種別・従業員規模別に精度を確保するため,層ごとに抽出率を設定。
 従業員調査は,正規従業員・非正規従業員とも企業調査の標本企業に勤務する従業員。
調査方法 訪問留置,訪問回収により,各企業本社の福利厚生担当者あるいは人事労務担当者に記入依頼(ただし,複数の担当者による回答も可とした)
従業員調査の回収については,
 従業員5~999人規模の企業の場合→記入後封入し,各企業の福利厚生担当者経由で回収
 従業員1,000人以上の企業の場合→記入後封入し,直接返送
調査実施者 生命保険文化センター,実地調査は中央調査社
DOI
委託者(経費)
寄託時の関連報告書・関連論文 「平成14年度 企業の福利厚生制度に関する調査」,2003年5月,生命保険文化センター
SSJDAデータ貸出による二次成果物 二次成果物一覧はこちら
調査票・コードブック・集計表など [企業用調査票][正規従業員用調査票][非正規従業員用調査票]
主要調査事項 調査票は,企業用,正規従業員用,非正規従業員用の3種類から成る。

【企業用調査票】

アンケート事項:
(1)人事・労務の現状と課題
 <経営環境>  業務上影響があると感じている環境変化,事業活動上の課題認識。
 <人事戦略>  現在の労働力需給状況,従業員の定着状況,人材採用・従業員定着性についての担当者評価,人事・労務戦略上の課題,人件費抑制のための対応策,採用・育成に関する方針。

(2)福利厚生制度の現状と方向性・新しい動き
 <福利厚生制度の導入状況・課題>  制度の有無,適用範囲,導入目的,得られる効果,導入基本方針,課題・問題点,再構築(再構築の実施状況及び意向,再構築の障害となる原因),今後重点を置く福利厚生制度の分野,今後拡充・新規導入したい福利厚生制度,今後廃止・縮小したい福利厚生制度。
 <ファミリーケア>  ファミリー・フレンドリー制度の有無,今後の拡充・新規導入意向,評価(経済面・時間面でのサポートに対する評価,利用時の職場の雰囲気)。
 <従業員コミュニケーション>  従業員への情報提供の必要性,提供している情報の分野,今後拡充・新規提供したい情報の分野,会社と従業員のコミュニケーションに対する評価。

(3)退職給付制度の現状と方向性
 1)退職給付制度全般
 導入状況,モデル退職金額(退職一時金,企業年金),実施目的,資金準備方法・割合,運営上の問題点,制度の再構築(過去3年以内の退職一時金制度・企業年金制度の変更内容,近い将来予定している退職一時金制度・企業年金制度の変更内容),給付水準の変更予定,将来の資金準備方法,運営方針(成果か年功か)(現在,今後),定年退職金の格差の有無・算定方式。
 2)企業年金導入状況
 <確定給付年金(適格退職年金,厚生年金基金)>  導入の有無,導入理由,支給開始年齢,支給期間,モデル年金額,平均掛金,予定利率・支給利率・保証利率,従業員拠出状況,委託金融機関,主幹事会社。
 <中小企業退職金共済制度,特定退職金共済制度>  平均掛金,非正規従業員加入者の有無,導入理由。
 <確定拠出年金(日本版401(k))>  導入状況,導入対応,制度のメリット,デメリット。
 <新確定給付企業年金>  制度の認知,導入対応。

(4)企業保障の現状
 1)労災補償; 法定外労災補償の実施状況,内容,改善意向,導入意向,遺族弔慰金支給金額,資金手当方法。
 2)業務外補償; 実施状況(補償内容),資金手当方法。
 3)死亡保障;
 <総合福祉団体定期保険>  導入状況,保険金額,ヒューマン・ヴァリュー特約の付加状況・保険金額,災害総合保障特約の付加状況・保険金額,退職者継続加入・パート加入。
 <任意加入団体定期保険>  導入状況,保険金額,退職後継続加入・パート加入,運営上の課題。
 4)医療保障;
 <医療保険(団体型)>  導入状況,給付金日額,制度内容,意向。
 <任意加入医療保険(団体型)>  導入状況,給付金日額,制度内容。
 5)所得補償;
 <就業不能保障保険,所得補償保険>  導入状況,掛金負担者,就業不能時の保険金月額,掛金援助制度の有無,加入状況。
 6)老後保障;
 <従業員拠出型企業年金,財形制度(一般,年金,住宅)>  導入状況,利用率,平均掛金年額,導入理由,今後の意向。
 7)企業の方針; 企業が費用負担する制度に対する意向,従業員が費用負担する制度に対する意向,従業員任意加入制度の周知方法。
 8)経営者保障; 過去5年間の代表取締役への退職慰労金・弔慰金の支払い状況,資金準備方法(うち生命保険での準備割合),役員退職慰労金や弔慰金の算定基準,代表取締役の報酬月額,資金準備方法(うち生命保険での準備割合),代表取締役の加入している生命保険・年金保険の種類,経営者保険の加入状況,加入目的。

フェース事項:
 業種,設立年,資本金,総資産額,売上高,経常利益,35歳男子モデル賃金,年収格差,平均年齢,平均勤続年数,正規従業員の女性割合・中途採用者割合,正規従業員数,非正規従業員数,退職者数(総数,自己都合),早期退職優遇制度,雇用延長制度の導入,労働組合・共済会・健康保険組合の有無,代表取締役の年齢・在任年数,人件費(福利厚生関連費,法定福利費,法定外福利費,退職費用)。

【正規従業員用調査票】

アンケート事項:
(1)従業員の生活意識・就労意識
 生活不安,将来の生活設計(計画の有無,経済的準備状況,準備意向),勤務先選択で考慮した点,仕事に対する自己評価(社内での評価,リストラ懸念,エンプロイアビリティ,経験・知識の有無),会社に対する評価(経営理念,信頼感,親近感,自分や家族に対する姿勢,実力を発揮する環境),勤務先・賃金についての考え方,従業員満足度とその内容。

(2)福利厚生制度
 <福利厚生制度の導入状況>  制度の有無(分野;住宅,医療,育児支援,慶弔・災害,財産形成,レジャー,情報提供,自己啓発),利用経験,制度に対する評価,現在の制度と2~3年前との比較,満足度(分野別・全体),再構築,制度に対する考え方,制度の拡充意向。
 <ファミリーケア>  家庭と仕事のバランス,ファミリー・フレンドリー制度(有無,利用経験,導入・拡充希望,制度内容,運営に対する評価,利用時の職場の雰囲気)。
 <自己啓発>  自己啓発の経験,自己啓発を行う理由,自己啓発に対する考え方。
 <従業員コミュニケーション>  (生活設計などの)情報収集の必要性,情報提供の主体に対する意向,従業員コミュニケーションの内容(現状と意向),会社と従業員のコミュニケーションに対する評価。

(3)退職給付制度
 <導入状況>  希望退職年齢(理想),経済面を考慮した予想退職年齢(現実),夫婦の老後に必要な収入月額,老後の収入の内訳,勤務先の退職給付制度の現状(制度の有無,希望する支給形態,予想退職一時金額,予想企業年金額,企業年金支給期間),退職給付の使途,自己都合退職時の予想退職給付額,退職給付制度についての満足度,退職給付額決定基準(成果か年功か)(現状,今後の変更予想,希望),将来の給付水準についての予測,退職給付水準低下への対応。
 <確定拠出年金(通称:日本版401(k))>  制度の認知,導入されている企業年金制度,希望する確定拠出年金の割合,運用方法,勤務先で導入希望する企業年金のタイプ,確定拠出年金のメリット,デメリット。

(4)企業保障(従業員拠出型保障制度)
 1)死亡保障 <任意加入団体定期保険>  加入状況(加入の有無,死亡保険金額,年間保険料),加入理由,非加入理由,勤務先への希望,保障を準備する際の考え方。
 2)医療保障 <任意加入団体医療保険(医療保障保険,医療費用保険,傷害保険)>  加入状況(加入の有無,給付金日額,年間保険料),加入理由,非加入理由,勤務先への希望,保障を準備する際の考え方。
 3)所得補償 <任意加入団体所得補償保険>  加入状況(加入の有無,保険金月額,年間保険料,補償される最長期間),加入理由,非加入理由,保障を準備する際の考え方。
 4)老後保障(従業員拠出型制度) <拠出型企業年金,一般財形,財形年金,財形住宅,確定拠出年金(個人型)>  利用状況,掛金年額,利用理由,非利用理由。
 職場の自助努力制度(上記1)~4))の利用意向,自助努力制度の導入主体に対する意向。

フェース事項:
 性別,年齢,雇用形態,仕事内容,勤続年数,最終学歴,本人年収,同居家族,未既婚,配偶者職業・年収,子供の有無・人数・ライフステージ,金融資産額・構成比,昨年1年間の貯蓄・投資金額,生命保険加入状況(死亡保険金額,疾病入院給付金日額,個人年金保険の年金額),転職経験・回数,転職年齢,退職事由,週当たり労働日数,労働時間(所定内,残業時間),通勤時間,有給休暇日数,労働組合加入状況,現在の住居。



【非正規従業員用調査票】

 質問項目は正規従業員用調査票と基本的に同じであり,若干の異なる項目は次のとおり。

<非正規従業員用のみの項目>
 働いている理由,現在の雇用形態で働いている理由,正規従業員として働いた経験の有無,正規従業員を辞めた理由,賃金の決定基準(現状,希望),就業調整の有無,就業調整している理由,配偶者特別控除が廃止の場合の収入額の増減意向,社会保険料負担の条件が変更の場合の収入金額と労働時間,就業調整していない理由,正規従業員への転換意向,正規従業員になりたい理由,配偶者の配偶者手当受給(有無,月額,本人年収の上限条件),雇用保険加入の有無,国民健康保険や健康保険加入の有無,国民年金や厚生年金加入の有無。

<正規従業員用にはあるが非正規従業員用にはない項目>
 自己啓発に関する質問項目,退職給付制度に関する質問項目,財形制度に関する質問項目,有給休暇日数。
公開年月日 2004/03/19
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バージョン 登録:2004年3月19日 :
特記事項